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中島翔哉のカタールリーグの試合を見た感想
中島翔哉選手がカタールリーグのアルドゥハイルに移籍して以降、ここまでリーグ戦の試合は基本的にネット中継で観戦。
ちなみに、アルドゥハイルの試合の放送は、ネット環境があればスマホでもパソコンでも以下の方法で視聴(無料)することができます。

細かい戦術や技術的なことはわかりませんが、メモも兼ねて中島翔哉選手のこれまでのカタールリーグの試合の率直な感想をざっくりとまとめたいと思います。
感想①中島翔哉の技術はピカイチ
まずカタールリーグでの中島翔哉選手は確実に技術面で他の選手を圧倒していると思いました。
日本代表で国際チームを相手にするときと同じように、毎試合必ず何度かチャンスを演出し、慣れてくれば毎試合ゴールも不可能ではないと感じさせてくれます。
感想②カタールリーグのレベルは低い
カタールリーグでは、中島翔哉選手の所属するアルドゥハイルと、元スペイン代表のシャビが所属するアルサッドが二強です。
ほぼ、この2チームでアジアカップを制したカタール代表チームも構成されるほど、他のチームとのあいだに実力の差があります。
以下は、シーズン順位表です(レフウィヤ=アルドゥハイル)。
カタールリーグ 2017-2018
カタールリーグ 2018 – 2019
確かにサッカーアジアカップのカタール代表は強かったですし、子供の頃からの英才教育や、多くが国内リーグ所属でスペインサッカーを模範としていると言う代表強化も進み、技術だけでなく連携も素晴らしいものでした。
カタールリーグも、先日の首位決戦、アルドゥハイルvsアルサッドの試合を見ると、個々の技術は高いと感じました(アルドゥハイルのディフェンダー陣は×)。
動画 : アルドゥハイルvsアルサッド
ただ、その両チームともチーム内の連携はそれほど取れているようには思えませんでした。
個がバラバラで好き勝手にサッカーをしている印象で、代表チームの連携力と比較すると雲泥の差。その2チーム以外のカタールリーグ全体の感想としても、レベルは正直だいぶ低いと思います。
感想③観客が少ない
そのレベルの低さの理由の一つには、驚くほどの観客数の少なさがある気がします。
首位決戦で、ようやく多少お客さんが入っているものの、それ以外の試合はほぼ空席。鳴り物を鳴らしているファンも、実は労働者階級を雇った盛り上げ専用のサクラだそうです。

これだけ観客が少ないと、確かに必死になって闘ったり、チーム内の緻密な連携を高めようというモチベーションには繋がらないかもしれません。
感想④中島翔哉がパスをもらえない
ブログやインタビューなど本人の言葉を聞くと、「楽しいサッカー」をするためにカタールに行き、実際に楽しくサッカーをしている、と語っています。
しかし、試合を見ているかぎり、代表の試合では試合中でも笑顔を浮かべることのある中島選手が、楽しそうな表情をほとんど見せません。
どこか辛そうな表情で、そのひとつの要因が、試合中に「パスをもらえない」ということにあると思います。
偶然とは言えないほど中島選手にパスが来ないことも多く、孤立している状態が長く続き、それが一体なぜなのか理由は分かりません。
先ほども触れたように、連携がそもそもうまく機能していないために中島選手も浮いてしまっているのか。
それともチーム内の信頼がまだないのか、あるいはチームメイトが意図的に回さないようにしているのか。
特にアルドゥハイルの17番のジュニオール(ベルギー生まれ)選手が、相当我の強い選手で、なかなか中島選手にパスを出しません。
もちろん、日本人だから贔屓目に見ていることもあるのでしょうが、あえて中島選手にパスを出さないようにしているのではないか、と映ることがほんとうに頻繁にあります。
移籍後まもなくの試合では、中島翔哉選手への激しいタックルに対してもファールの笛を吹かない、ということも目立ち、「中東の笛」がこういう場面でも行われるのか、と正直思いました。
また、最近では減ってきましたが、中島翔哉選手自身も、そのチームの空気のなかで気遣っているのか、ボールを受けても個人で突破したりシュートに持ち込む頻度が少ないようでした。
それでも、このことは徐々に解消され、中島選手らしくシュートまで持ち込んだり、そのときどきの最適解を「考えないで」選択できることも増えてきました(それまではちょっと「考えている」プレーが多かった気がします)。
とにかくこの「パスをもらえない」ということが解消され、チーム内に馴染んでいくことができれば、毎試合得点や一試合複数得点もじゅうぶん可能なくらい技術面では圧倒しています。
ただ、連携がうまくいっていないことが、そもそもモチベーションの問題で、そのモチベーションの問題の根っこに「観客が少ない」ということがあるとすれば、しばらく試練の日々が続くかもしれません。

中島選手自身は手応えも
一方、中島翔哉選手自身は、このアルドゥハイルとカタール移籍に手応えを感じているようです。
カタール移籍後のインタビューでは、現在の状況について語っています。
(移籍の理由は)すごくシンプルで、このチームなら、すごくサッカーを楽しんで、ポルティモネンセにいる時よりサッカーを楽しんでプレーできると思いましたし、サッカー選手としての自分にとっても、人間としての自分にとってもすごく大事なものを得られるというか。すごくいいチームに来られたと思いますし、今の自分にとっては一番いいチームに来ることができたと思っています。
(中略)
カタールのサッカーはあまり見られることはないと思うので、どういうレベルかっていうのは日本の人には伝わっていないですけど、それは自分でしっかりと分かっていればいいことなので。自信を持ってこのクラブに来ましたし、成長できると、実際に1試合やってそれはすごく感じたので、今はもうホントに、来て良かったな、としか思っていないです。
本当にいろいろなクラブが話をくれましたけど、そのなかでもアル・ドゥハイルはすごく自分に合っていた。実際に移籍が決まるまで2回ほど行きましたけど、サッカーの面もサッカー以外の面も魅力的で、より楽しくサッカーをするために成長できると思ったので。町の人々や食事も含めてすごく住みやすいし、いまは奥さんと2人で幸せに暮らしています。サッカーにもつながってくる点で、そこが一番大事かもしれないですね
(守備の意識について)カタールでは監督からずっと言われるので、あんまり言ったら怒られるかもしれないけど、それがすごく成長につながっている。これまでの代表戦の時よりは前のほうでボールを奪えたと思うし、そういうのを求めてカタールに行ったというのもある。
成長するために行きましたし、楽しむために行きました。チームメイトも監督も素晴らしいので、色々なところを吸収できていると思います。アジアカップでもそうでしたけど、カタールの選手はボールを奪うのが上手ですし、攻撃も個人で行ける。チームも両方を持っているので、自分もそこを磨きたい。守備でボールを奪う時のポジショニングのアドバイスもよく監督からもらうので、本当に色々なことを学べていると思います。
以上のように、中島選手自身がカタール移籍に手応えを感じ、「楽しいサッカー」ができ、成長にも繋がると語っている以上、それは信じたいと思います。
そして、もし今はまだ手こずっていたとしても、いずれはアジャストしてくれることでしょう。
どこでプレーするにせよ、中島選手が自然体で楽しんでくれるなら、それが一番です。