メジャーの報復デッドボールにイチローは?
中島翔哉選手が、前半終了間際に行なったリフティングドリブルに、「舐められた」と激怒したパラグアイ選手が報復のために激しいスライディングでわざとファウルをし、イエローカードを与えられた、という騒動は海外でも物議を醸しています。
中島翔哉選手の人柄を知っていれば、これが相手を嘲笑したり煽るためのリフティングではなく、純粋に楽しみたいだけだったことは分かりますし、本人も「何も考えていなかった、申し訳ない」と謝罪しています。
中島がパラグアイおちょくってブチ切れられて鬼削られるけど相手チームのアルゼンチン人監督とは仲良くなるこの流れすこ pic.twitter.com/s7LlQGsUV5
— しぶやん@不動産xインバウンド (@botellon5) 2019年9月5日
別にルール違反ではなく、マナーの問題として、(試合展開もあるのでしょうが)こうしたプレーをすることが、特に南米ではタブーに近いということで、報復は当然だ、というサッカーファンの声もあれば、たとえマナー違反であっても明らかなファウルである報復タックルが許されるべきではない、退場にすべきだった、という声もあります。
このスポーツにおけるマナー違反という点で言えば、野球の世界にも暗黙のルールがあり、日本のプロ野球よりも米国メジャーリーグのほうが色々と細かく存在しているようです。
派手なガッツポーズをしないことや、大差のついたゲームでカウント3−0から打たないなどの“モラルある行動”で、大差のついたゲームの終盤でのバントや盗塁を禁じているのも、そのひとつとしていました。もしやれば盗塁に成功しても公式記録とならず報復の死球が発生するといいます。
マナー違反を犯せば、相手チームからわざと死球(デッドボール)を当てられる、という報復行為を食らうことになります。
そうなっているのだからそうだ、と言われれば、一素人は黙る以外にないのかもしれませんが、場合によっては大怪我をしたり選手生命を脅かされる可能性もあるデッドボールやタックルを、「報復」のために行う行為を肯定する気にはなれません。
ところで、この中島翔哉選手の一件で気になったのが、イチロー選手が過去に報復の対象となったときの対応です。
調べてみると、2008年、マリナーズに所属しているイチロー選手が34歳のときに「報復」の対象となっています。
7回裏の第4打席、1打席に二度の危ない投球。両方とも、イチロー選手は交わし、審判は両ベンチに警告を言い渡します。
はっきりとそれが報復かどうかはわかりませんが、イチロー選手はこの危険な投球を報復と見たようです。
この一件についてイチロー選手は、「狙ってんのに当てられないのってカワイイよね。(相手の)監督も(球審に対して、故意を否定しながら)出て来るのもカワイイ。キュート、あの怒ってるさまが」と発言し、火に油をがんがん注いでいました。
この報復の原因はイチロー選手本人にあるわけではなく、前日の試合で、マリナーズがこの相手チームの選手にデッドボールを与えて試合を欠場しなければいけなかったために、その報復としてイチロー選手が狙われたのではないか、というもの(出典 : イチロー死球狙われるも余裕「カワイイ」)。
そのため、中島翔哉選手の場合とは違うかもしれませんし、どちらの対応がいいというわけでもなく、ただこの辺りはさすがイチロー選手の図太さが分かる発言でした。
