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中島翔哉のストレッチ法「骨ストレッチ」

中島翔哉のストレッチ法「骨ストレッチ」

中島翔哉選手は、自身のトレーニング法について、「ボールに多く触ることと、「自分に合ったもの」を推奨しています。

中島翔哉選手の練習法「ボールに触って、トレーニングは合ったものを」中島翔哉選手の練習法「ボールに触って、トレーニングは合ったものを」 中島翔哉選手は、以前インタビューで練習法について、背が小さいほどボ...

特にフィジカルトレーニングは、実際に自分で試し、取り入れていくことが大事だと語っています。

年齢を重ねていけばいくほどフィジカル的な部分で、対応していかないといけない部分も増えてくるので、色んなトレーニングを試して自分にあったものを取り入れていくことが大事だと思います。今までだれかがやっていたとか関係なく、自分に何が合うのかを、実際にやってみて感じることが大事だと思います。

出典 : 中島翔哉(ポルティモネンセ)インタビュー『誰よりもサッカーを楽しみたい』

その中島選手が今取り入れているストレッチ法が、「骨ストレッチ」です。

骨ストレッチとは、元陸上スプリンターで現役時代度重なる怪我に悩まされた松村卓さんが考案した、「骨」を中心に行うストレッチです。

筋肉を鍛えて動きを固めるのではなく、「骨」を活用し、柔らかくしなやかに動かすことが重要だという考えが「骨ストレッチ」のもとにあります。

筋肉トレーニングで「付け加える」元来の方法論ではなく、今ある身体をどれだけスムーズに動かすか、という点が重要になります。

元プロ野球選手の桑田真澄投手の復活に寄与した古武術の研究家甲野善紀さんは、松村さんとの共著『「筋肉」よりも「骨」を使え!』のなかで次のように語っています。

いい動きというのは、力が抜けるべきところは抜けて、入るべきところは入って、それぞれの動きが微妙な相関関係のなかにあるわけです。

出典 : 甲野善紀、松村卓『「筋肉」よりも「骨」を使え!』

また、本書では、「アスリートで大事なのは〈考えないこと〉」という言葉も登場します。

考えるのではなく、本能的に動く方向に身体を導いていくヒントが古武術の動きにはある、と松村さんは言います。

この「考えない」というのは、中島翔哉選手が、繰り返し語ってきたことでもあります。

ドリブルの秘訣は? ボールを持った時に考えていることは? どういうイメージを描いていた? どんなに聞き方を変えようとも、中島から返ってくる言葉は常に同じだ。

「何も考えてないです」

あっけらかんと言う。囲んだ記者たちは苦笑い。ただ、これは100%本音なのだと思う。

中島翔哉は考えない選手だ。

出典 : 中島翔哉は「考えない」。ありのままを認めさせたドリブラー

考えない選手、と言うと否定的な印象を持つかもしれません。

しかし、中島翔哉選手の場合は、反射的に、本能的に身体を動かすために、「思考」に邪魔をさせない、という意味で「考えない」ということです。

ボールをもらう。ドリブルを仕掛ける。相手が奪いに来る。この時、中島は考えていない。というか、考えるよりも早く、体が反応している。だから、あそこのプレーを解説してほしいと言われても、解説しようがないのだ。

出典 : 中島翔哉は「考えない」。ありのままを認めさせたドリブラー

この「本能的に動く」ために、身体もなるべくスムーズに動いてもらう必要があり、そのトレーニングの一貫として、中島選手は「骨ストレッチ」を取り入れているようです。

その他、中島翔哉選手は、能のすり足や日本人の正座の動き方なども研究しているとインタビューで答えていました。

自分の身体作用を最大限、効果的に発揮する方法を模索しているのでしょう。


甲野善紀、松村卓『「筋肉」よりも「骨」を使え!』


松村卓『ゆるめる力 骨ストレッチ』