欧州サッカー連盟(UEFA)の移籍に関する制度「FFP」とは
中島翔哉選手のカタール移籍の報道を見ると、しばしば登場するのが、欧州サッカー連盟(UEFA)の財政面の制度である「FFP」です。
FFP(UEFA Financial Fair Play Regulations)とは、日本語では、欧州サッカー連盟のファイナンシャル・フェアプレー規則と言います。
これは、サッカークラブの財政面を公平にしようという制度で、ミシェル・プラティニ会長が2011年から導入しました。
この制度は、簡単に言えば、「赤字経営の禁止」です。
銀行から借り入れたり、金満オーナーがポケットマネーで補填して高額な移籍金を支払って選手を獲得することを禁止する制度です。
細かく言うと以下の通りです。
クラブが支出する移籍金、人件費などの経費は、クラブが純粋に得たサッカーによる営業利益(選手売却による移籍金、スタジアム入場料、テレビ放映権、各大会賞金、グッズ収入、スポンサー収入)を超えてはならないというもの。
出典 : 欧州サッカーの勢力地図が変わるか。赤字経営の禁止、ビッグクラブに影響大の“ファイナンシャルフェアプレー”制度とは?
例外として、この制限に育成費用や施設の投資は含まれません。
このFFPが、なぜ今回の中島翔哉選手のカタール移籍と関連しているかと言うと、このカタールの移籍先であるアルドゥハイルのカタール人オーナーは、フランスの王者パリ・サンジェルマン(PSG)と同じオーナーのようです。
そして、PSGは兼ねてから中島翔哉選手の獲得に前向きでした。
しかし、中島選手の移籍金は激しい高騰を見せます。
残念ながら、すでにPSGは今期他の移籍金に多額の資金を捻出しているため、FFPに抵触することから、一度カタールのアルドゥハイルが中島選手を獲得。
その後、来季以降にパリ・サンジェルマンに売却する、というプランを考えているようです。
ただ、これが現実化するかどうかは定かではありません。
いずれにせよ、中島翔哉選手の評価の高まりとともに、以上のような巨額なマネーの動きに巻き込まれていることも今回の突然のカタール移籍の背後にはありそうです。