Contents
中島翔哉のカタール移籍のメリット・デメリット
ポルティモネンセから、欧州主要リーグへの移籍が期待されていた中島翔哉選手ですが、誰もが驚く突然の「カタール移籍」。
カタールのリーグ王者アルドゥハイルへの移籍が決定的になりました。
高騰する移籍金を支払えるのが中東のビッグマネー以外にないことも理由にあるようで、クラブや代理人など運営側への批判も多い、この中島翔哉選手のカタール移籍。
ただ、昨年の末の中島翔哉選手の移籍に関するコメントでも、「相談はするが、最後に決めるのは僕自身」と発言し、先日の代理人のコメントでも、中島選手自身の意思も決断に大きく影響したとあります。
詳しくは後述しますが、アルドゥハイルのオーナーの関係から、今夏か、次の冬までにフランスの名門パリ・サンジェルマン移籍か、という噂も取り沙汰されています。
そこで、現在挙がっている情報をもとに、中島翔哉選手のカタール移籍のメリット・デメリットをそれぞれまとめてみました。
中島翔哉、カタール移籍のメリットとは
メリット①良質な指導者
カタールは、2022年のW杯開催地でもあることから、サッカー強化に資金を投じ、欧州の有力な指導者や選手も集めています。
アジアカップ(2019年)では日本を破り、カタールが初優勝を成し遂げましたが、その結果は長年の強化政策の一貫でした。
カタールは素晴らしいチームでした。ただ、急にカタールは強くなったわけではなく、サンチェス監督はバルセロナのユースを指導していて2006年からカタールに渡りU‐15.U‐16.U‐17.U‐18を指揮しています。2014年にはU-19アジア選手権で優勝し実績を残し、2017年7月から代表監督に就任しました。
長期的なビジョンを持ちしっかりとスペインサッカーのメソッドを育成年代から落とし込み、辛抱強くやってきた成果だと思います。トップチームだけの強化ではなく、育成年代に投資して強化してきたことがアジアカップを制したことにつながったと思います。
中島選手が移籍するアルドゥハイルも、モウリーニョ氏の参謀として長年活躍したルイ・ファリア氏を新監督に起用することが決まっています。
名将モウリーニョ氏が「自分のトレーニングの大部分を実際にコーディネートしているのはルイ・ファリア」と語るほどの存在が監督に就任。実際、今後のチームのプロジェクトについてルイ・ファリア氏が提示し、中島翔哉選手も納得した、と中島選手の代理人は言います。
素晴らしい指導者のもとでサッカーが学べるのは、中島翔哉選手にとって大きなメリットになるでしょう。
メリット②強いカタール
カタールリーグへの移籍と言うと、やはりスペインやイングランドのリーグと比較してランクダウンの印象は否めません。
実際、現役で活躍する世界的なプレーヤーもいません。
しかし、それでも長年の強化政策によって、日本を破ってアジアチャンピオンになり、その代表のほとんど全てが国内組であることを考えると、カタールリーグは「強いリーグ」と言えるでしょう。
カタール代表の背番号19を背負い、アジアカップで最多得点の記録を塗り替えた(日本戦でもオーバヘッドを決めた)FWのアルモエズ・アリも、アルドゥハイル所属で、中島翔哉選手とチームメイトになります。
代表メンバーのうち5人が、アルドゥハイル所属の選手です。
また、モロッコ代表のDFのベナティアも、ユヴェントスからアルドゥハイルに移籍してきました。
メリット③充実した設備
カタールでは、若手育成のために2004年に国営の施設アスパイア・アカデミーを設立しました。
アスパイア・アカデミーは、カタールのスポーツ全般にまつわるエリート養成学校で、スポーツだけでなく学校教育も熱心に行っています。
海外を意識したスペイン語や英語の学習が義務付けられたり、スポーツ心理学や栄養学も学ぶことができ、設備としても図書館や劇場まであるという充実ぶり。
育成スタッフも、世界25ヶ国以上から集まり、特にスペイン色の強いメンバーになっています。
元スペイン代表のシャビも、カタールの強豪クラブのアルサッドに所属し、カタールチームの育成に携わっています。シャビは、アジアカップのカタール優勝を予言していたことでも注目を浴びました。
アルドゥハイルの設備や練習環境がどういったものか詳細は分かりませんが、中島選手の高額な移籍金(約44億円)を支払うことができ、指導者も揃えることを考えると、その巨額マネーで設備もますます充実していくことが考えられます。
中島翔哉選手自身のアルドゥハイルでの年俸も350万ユーロ(日本円で約4億4000万円)とも言われ、環境としては申し分がないでしょう。
メリット④カタールW杯
2022年には、カタールでW杯が開催されます。
サッカーは、その地域の施設や気候、選手の特徴など様々な要因が絡んできます。
W杯本番はもちろん、その前のアジア予選では、カタール以外にもイランやウズベキスタン、UAEなど中東の強豪国が手強いライバルになってくることが予想されます
長友佑都選手は、韓国やオーストラリアなどこれまでのアジア強豪国に加え、中東勢の台頭に、「W杯出場」自体が危ういかもしれない、と警鐘を鳴らしています。
この中東のプレースタイルを肌で感じるという意味でも、中島翔哉選手のカタール移籍は本人だけではなく日本代表にとってメリットとなりうるでしょう。
メリット⑤パリ・サンジェルマン(PSG)への移籍の可能性
これがファンにとって一番のメリットと言えるかもしれません。
冒頭でも触れたように、カタールに移籍後、フランスの名門でネイマールやエムバペが所属するパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍するのではないか、という報道があります。
理由としては、すでにパリ・サンジェルマンが移籍金などで多額の資金を投入し、今期の移籍は「①FFPに引っかかること」。

そのため、一度違うチームに移籍させ、あらためてパリ・サンジェルマンが中島翔哉選手を獲得する、という狙いがあるのではないか、と見られています。
また、なぜカタールのアルドゥハイルかと言うと、「②アルドゥハイルとパリ・サンジェルマンのオーナーが同じ(ないしは近しい関係の)カタール人である」ということが関係しているようです。

世界トップクラスの選手が集まるパリ・サンジェルマンに移籍ができる、という確約(?)があるとすれば、これまでのカタール移籍のメリットに加え、とても素晴らしい選択と言えるでしょう。
『AS』は、中島翔哉のアル・ドゥハイル移籍は、裏でパリサンジェルマンが噛んでおり、今季のFFP違反を避けるため半年間だけ中島をカタールでプレーさせ、来夏にパリへ迎え入れる、と推測。
もしこれが真実なら、半年間ルイ・ファリアのもとでプレーでき、来年にはパリって最高すぎない? https://t.co/wM5p66bIcj
— YS (@yutasaito_pt) 2019年1月29日
カタール移籍のデメリットは?
これだけのメリットがある中島翔哉選手のカタール移籍ですが、逆にデメリットはどんなことが挙げられるでしょうか。
現在、今回のカタール移籍のデメリットが考えられるとすれば、以下の一点に絞られるでしょう。
デメリット①パリ・サンジェルマン移籍は無し?
この辺りが非常にデリケートで、実際のところどうなるのか、誰にも分からない状態のようです。
経営陣や代理人らに、中島翔哉は騙されたのでないか、といった声さえあります。
実際、韓国のナム・テヒ選手が7年前に全く同じ形で、パリ・サンジェルマンに移籍がある、という話をチラつかせられ、アルドゥハイルに移籍。
しかし、今もまだ同じチームに所属しているそうです。


その他、チュニジア人MFのときも、同じような話がありました。
このカタールのクラブが「パリ行き旅客機の経由地」としてクローズアップされるのは、今回が初めてではない。
2013年にも、チュニジア人MFのユセフ・マアクニが、「レフウィヤ・スポーツ・クラブ(当時)を経由してパリに移籍する」という噂が、複数の報道で流れたものだった。だがこの選手は一度として、パリに足を踏み入れることはなかった。
したがって、ナカジマが近い未来、フランス・チャンピオンの元にやってくる可能性も、ほとんどないと見られる。
確かに、このPSG移籍は単なる餌や噂で、実際はカタールで囲い込まれるとなれば、中島選手のキャリアや夢が絶たれることになり、これは甚大なデメリットになるでしょう。
しかし、同じ選手でない以上、同じ結果になるとも限りません。
いずれにせよ、以前から、どんな舞台であっても楽しいサッカーがしたい、と中島翔哉選手自身も語っているので、怪我なく、余計なことに巻き込まれず、中島選手らしいサッカーができることを願うばかりです。
以上、カタール移籍のメリットとデメリットをまとめてみました。